南米パラグアイへ移住したマリです!
今回はパラグアイ生活で、「髪の毛」について書いてみようと思います。
実は私、髪の毛を売ったんです。人生で初めて売ったんです。
売ることになった経緯も含めて書きますね。
ひょんなことから髪の毛を売ることに。
こちらの記事(南米パラグアイの季節*夏(verano)‼有効的な熱中症対策☆ )にも書いたように、パラグアイの夏は日本よりもとても暑いです。
しかも、今季の夏はパラグアイで50年に1度の猛暑と言われ、今までに経験したことがないくらいの暑さ、黙って座っているだけで、熱中症になります。
私の髪の毛は長女を出産後、美容院へ行って切ってもらいました。
それから約3年ほど経って、腰にとどくほど髪の毛が長くなりました。
毎日暑くて暑くて、日中は頭がぼーっとしてきて、脳みそがやられそうな気がしたら、豪快にも頭から水をかぶります。
あまりタオルでふかなくても、驚いたことにあっという間に乾いてしまいます。
「さすがにそろそろロングヘアーからショートヘアーにしたいなぁ」と思いながら、いつも近所で搾りたての牛乳と、うちの無農薬野菜を物々交換してくれるパラグアイ人のお宅に行きました。
そのときちょうど、夏休みで帰省していた娘が仕事着で自宅を出ていくところでした。
私をじーっと見るなり、

ねぇ、あなたの髪の毛買い取りたいんだけれど、切らない?
うちで切ってもいいし、あなたの家に行って切ってもいいし。

うーん。私は切りたいんだけれど、旦那がロングヘアー好きだから、なかなか切らせてくれないんだよ。
旦那の経験の中で、許可なしに髪の毛を切ると、必ずと言っていいほど、その後なぜか別れることになるみたいでさ。
私は別れたくないからね。別れるときはどちらかが死ぬ時だと決めているから。
一応聞いてみるよ。

じゃあ、切りたくなったらいつでも言ってね。
と言い、彼女はそのまま訪問美容師?としてこれからあちこちの家を訪問するようだ。
髪の毛を切るだけではなく、メイクやネイルも出張してくれるみたい。
私は牛乳屋さんのおうちの中に入っていき、いつものように搾りたての牛乳をおばさんからもらい、家に帰り旦那に聞いてみた。

なんか、髪の毛を切ってくれる人がいるんだけれど、人毛を売っている人みたいなんだよ。髪の毛を切らせてって言われたんだけれど、切ってもいいかな?

いいよ。
髪の毛が長いと暑いだろうし、だんだんと年いってくると、髪の毛を伸ばしてもきれいにみえなくなってくるしね(ぉぃ)

じゃあ、髪の毛を切って、って言ってくるね
彼女へ伝えると、「週末にあなたの家へ行く」とのこと。
はじめてパラグアイ人に髪の毛を切ってもらう
髪の毛を切ることもすっかり忘れた2週間後に、彼女はうちへ訪ねてきた。

今日髪の毛切れるけれど、あなたの家でやる?それとも、うちまで来る?

うん。私の家でいいよ。
庭に椅子を並べていると、さらに女性が2人入ってきた。

あれ?あなたが切らないの?

そう、今日は普段アスンシオンに住む友人が切るからね。

Hola!はじめまして。あなたが切るの?

そうよ。よろしくね。

アスンシオンに住んでいるの?

そうだよ。普段はそっちで美容院をしているよ。

へぇー、そうなんだ。
ところで私の髪の毛、肩くらいまで短く切りたいんだけれど、いくらになるのかな?

そうねー、、、15万グアラニー(約3000円)で買い取るよ

いいよ。(平静を装うも、内心、そんなにするんかい!田舎生活を考えると、いいお値段だな!と思った)
ぶっつり真横に切られるのかと思ったら、全体的にすく感じで少しずつ髪の毛を集めていき、最終的に大きな髪の毛の束になった。
髪の毛の束になると、髪の毛を切る女性以外の2人はそれを持って、すぐに車の方へ向かった。
すぐにカツラとしてほしい人がいるようで、急いで作業をしにいく感じだった。

じゃあ、頭を水で濡らして
水で濡らして椅子に座りなおすと、さらに髪の毛の長さなどを丁寧に整えてくれた。

OK。終わったよ。また切りたくなったらいつでも言ってね
。
彼女の名刺をもらう。

どうやってカツラにするの?

髪の毛は洗ってから、こうやるのよ。
パラグアイの美容師さんのお仕事とは?
彼女のアイフォンでたくさんの写真を見せてくれた。
日本のように頭にすっぽりかぶるウィッグタイプを想像していたが、そうではなく、横一直線のヒモみたいなものに髪の毛の根本をくっつけて、すだれのように作ってあった。
美容院の中には、何十人分の女性たちの長い髪の毛がたくさん置いてあった。
私みたいな、黒髪ロングストレートは見当たらず、ほとんどが巻き毛だったり、茶髪、金髪が多かった。
黒髪ロングストレートはもしかして、貴重だったのかな。。。?
そういえば、パラグアイのグアラニー族の血が濃そうな人は、髪の毛が日本人と同じく真っ黒の人が多い。
やっぱり、南米の原住民と、日本人ってどこか血がつながっている気がする。言葉は日本語によく似ているし。
パラグアイの女性で髪の毛が金髪や茶髪が多いのは、スペイン系の血の流れが濃い人が多いからのようです。

このたくさんの髪の毛たち、どうやって販売しているの?

ネットで販売しているのよ。

パラグアイは宅急便がないけれど、どうしているの?

自分で車で欲しい人の家まで届けに行って、全面的に髪質を変えたい人は、そのお宅で髪の毛を短く切って、根本に人毛を少しずつ結ぶのよ。

なるほど。
パラグアイでも人毛は結構需要があるようで、高く売れるんだなと思いました。
髪の毛を切ってくれたこの女性は、美容師の仕事(ネイル、ヘアメイクもやります)以外にも自宅でパウンドケーキを大量に作り、お店に卸す用に販売しているそうです。
こちらのパラグアイ人女性はやっぱりたくましいですよね。
仕事は一つだけではなく(というか一つだけだと食べていけないことが多い)頑張っています。
散髪が終わって、余談でおしゃべりし、「また切りたいときは連絡ちょうだい」と去っていきました。
日本の昔も、髪の毛を販売するのは当たり前だったみたい

あぁ、さっぱりしたー!お金くれるんだね。

お!よかったじゃん。美容院代がタダになったんだね。

ううん。タダじゃなくて、お金を置いていったんだよ。

・・・なんだって!?

15万グアラニー置いて行ったよ!

なんだ。てっきりタダなんだとばっかり思っていたよ。
そっか。今の日本の感覚でいるからだ。
今の日本だと髪の毛を売ったことある人って聞いたことないね。
髪の毛はお金を出して切ってもらうものって思い込んでいるしね。

そうだね。私、今回初めて自分の髪の毛を売ったよ。
長い髪の毛って買い取ってくれるんだね。
日本ではお金を出して切ってもらうのが当たり前だったよね。
一回に5000円から1万円以上、縮毛矯正をしていたころは一回に2万円払うなんて普通だった。
パラグアイの生活から考えると、なんとも贅沢な話だね。

よくよく考えてみれば、俺が子供の時は母さんや姉さんが長い髪の毛を切っていくらになったって言ってたっけな。
日本の女性の髪の毛は魂と同じくらい大切なものだとされてきているから、あの当時の値段は覚えてないけれど、結構高値で売っていたみたいだよ。
今日マリがやってもらったように、こんなに丁寧に切ってなかった気がする。
ブツっと真横に切って、そのあと丁寧に整えたりなんかしてなかったような気がする。どこかに持って行っていたよ。

へぇー。そうなんだー。
日本も昔は女性の髪の毛は買い取ってくれていたんだね。
ネットで調べてみると、現代の日本でも髪の毛を寄付するか、買い取ってくれる業者がいるみたいだね。
知らなかったー。日本にいたころもほとんどが黒髪ロングストレートだったから、知っていたら業者に出して、高く買いとってくれていたかもしれない。

髪の毛を切るのにはお金がかかるという概念が、頭にこびりついちゃってるね。
日本でもいまだに買い取ってくれるんだね。
でも、懐かしいなー。パラグアイで髪の毛を買い取りに来る人が各家をまわってくるのを見ると、俺が子供のころの日本を思い出すよ。
最後に☆
初めてパラグアイ人に髪の毛を切ってもらったので、ドキドキでした。
技術的には細やかに切ってくれる日本の方が上でしたが、パラグアイでも案外大丈夫(?)でした。
パラグアイの女性は髪の毛をきれいに伸ばしている人が多いです。
女性の伝統的な踊りでは、長い髪の毛を編み込んだりして奇麗に飾りつけし、ビンを頭の上にのせて踊ります。(ビンをのせない踊りもあります)
髪の毛は地毛がカールしている人も多く、金髪から茶色、真っ黒など多種多様です。そんな中、黒髪のストレートは少ないようで、ニーズがあるようです。
美容師さんが自ら髪の毛を買い取り、加工、販売、装着までするとは初めて知りました。
また一つ、いい体験になりました。