南米パラグアイの大工さん選び

*新天地開拓日記*

南米パラグアイに移住したマリです!

これから家を建てる、パラグアイでどの大工さんに頼んだらいいか、迷いました。

私は最終的には大工さんの人柄、信頼できるかどうかを見極めて頼むことにしました。

パラグアイでの一般的な大工さんのにんく代金

大工さんの一般的な人工代、親方で1日100.000G(日本円で2000円ほど)、そのほか手伝いで使われている人は1日70.000G(日本円で1400円くらい)くらいです。

親方が毎週土曜日になると手伝ってくれている人に一週間分のにんく代を支払います。

私は、最初気にしていなかったのですが、親方は毎週土曜日になると「ここの部分が仕上がったから、その分の料金をください」と、私に言ってくることが多いです。

土曜日に支払わないといけないので、親方へ支払われたお金を自身が使い込まなければ、支払うことが出来ます。

しかし、パラグアイ人の多くはまとまったお金が手に入ると、なにも考えずパーッと使ってしまって、後々手伝っている人へ支払う分がなくなってしまいます。

だから、友人からは「支払うのは一日のにんく代の合計と日数を計算して、少しずつにしなさいよ。でないと、最初はいいけれど最後の方は手伝いに支払えなくて、なんだかんだと難癖つけてお金を取ろうとするから」とアドバイスをもらいました。

材料は自分で見つけて用意しないといけない大変さ

日本だと、見積もりは材料費とにんく代込みで、材料は業者で用意してくれますが、パラグアイでは大工さんが材料を用意してくれません。

材料の数や大きさの相談などは、聞いてくれて何がいくつ必要かリストを書いてくれます。

そのリストを元に自分で材料屋へ行って(大工さんも一緒に連れて行くのがベスト)、購入して現地へ運んでもらわないとなりません。

それに、大工さんは材料が揃ってないと、やる気が起きないと言われています(誰でもそうですよね)

大工さんと相談して、レンガがいくついるのか、モルタルはいくつ仕入れるのか、現地に運ぶのか、まだ運ばないのか、追加で必要なものがないか、など、毎日材料のことなどで打ち合わせをします。

現場でまだ誰も住んでいない場合、材料を見張る人がいないということは、必要な材料をすべて現地に運んでしまうと、パラグアイ人に必ず盗られます。

一日に使う分だけのモルタルや鉄骨などを現場に運んで、翌日また必要な分だけ現場に運ぶ。

私の頼んだ大工さんのことは信用しているので、「必要なものが出てきたら、材料屋さんで取っていってね。あとから支払いに行くから。」と言ってあります。(しかし、このやり方はほんとうに信頼できる人でないと無理なので、普通はおススメしません。)

追加で砂やモルタルが必要な場合は、私の大工さんは材料屋さんへ取りに行く前に、必ず私に確認をとってからとりに行っているので、よしとしています。

私の場合は、隣のパラグアイ人の軒先に雨に濡れるとまずい資材を置かせてもらって、1日に必要な分だけ現場へ運んでもらっています。(隣のパラグアイ人がモノをとる人かもしれないので、普通はやめたほうが良いですが、やむを得ず。)

また、使い終わった大工さんの道具類なども、人のいない現場へは置きっぱなしにはできませんので、その都度持って帰るか、隣のパラグアイ人の軒先を借りるか、しています。

大工さんはいろいろと理由をつけて休みたがるのがパラグアイ

雨が降ったら休むのは仕方ありません。

大工さんによっては、サッカーの試合があるから、なんだかがあるから、とかなんだかんだ言って休みたがるようです。

業種によらず、パラグアイ人は仕事を休みたがりますね。(寒いから来ない、雨だから来ない、風が強いから来ない、暑いから来ないとか)

にんく代の計算方法

パラグアイでは、例えば基礎工事をしてもらうのに1㎡あたりのにんく代がいくらです、壁はレンガを積んでもらってモルタルを塗ってペンキ仕上げまでしてもらったら1㎡あたりいくらです、といった具合に、計算していきます。

作業前にたくさん支払ってしまうと、大工さんが仕事をせず遊び始めるので、私の場合は床が仕上がったらこれだけ払って、壁が仕上がったらこれだけ支払って、作業が完了したのを確認してから、その都度支払うようにしています。

最初にガソリン代とか、食事代とか、下っ端に支払うにんく代がほしため、作業前の最初にいくらかほしいと言ってきます。

普通は作業前には絶対に払うな、と地元の人から言われそうですが、あまりにも厳しすぎると「じゃあ早く作業を終わらせればいいのでしょう」と、雑な仕事をさせてしまうと嫌なので、少しは支払っています。

作業が完了したら、残りの全額を支払います。

私が頼むことにした大工さんとは

我が家の場合は、頼むことにしたパラグアイ人の大工さんは基本的に3人で家を建てるようです。

ほんとうにこの大工さんに頼んで大丈夫なのだろうか。。。

家作りで、人工代も気にするけれど、パラグアイで高いからいい腕を持っているかと言ったら、そうも言い切れません。

単純に、私たちは外国人であり、外国人はみんなお金をいっぱい持っているだろうと考え、ふっかけてくることはざらです。

確かに人工代が高くないことにこしたことはありませんが、やっぱり家作りで気にするのは大工さんの腕なのでしょうか。

私の頼む大工さんは、今借りている借家のすぐ近所に住んでいて、2件目の借家暮らしの時に、お向かいさんがトイレの穴(パラグアイでは日本と同じく水洗トイレですが、流れた先は、それぞれの家で深さ3mほどの大きな穴を掘り、そこに流れるようにします)を掘っていて、改装したトイレも綺麗に仕上げていたのを思い出し、お向かいさんは誰に頼んだのか聞いたところ、3件目の借家暮らし(現在の住まい)のすぐ近所だったのでした。

都市部から田舎町に泊り込みで来ている大工さんがいた

そういえば、いつも同じところで家電を買っているお店があるのですが、そこが新しく新装開店しました。

一時期、コルメナ中のさまざまなお店、それも都会と変わらず、立派で後から2Fを建て増しできるスタイルのお店で、軒並み、そういったお店作りが進んでいました。

いつも家電を買っているお店もその一つで、大工さんは誰に頼んだのか?と聞いたら、アスンシオンから来て泊り込んで働いている業者に、建てたい人がみんなでお願いをしてまとめて建設を頼んだのだそう。

町のみんなで、私の知らない間に話し合ってアスンシオンの大工さんに頼むなんて。

そういう方法があったのか。確かにコルメナの大工さんではこの技術は持っていないのだろう。

ちゃんと鉄骨も入っているし、仕上がりも綺麗。

「まだアスンシオンからの大工さんっているの?」と聞いたら「もう帰って行ったよ」とのこと。

「あー、タイミングが合わなかったかー。」と思ったのだが、旦那いわく「確かにアスンシオン価格の方が高く、技術的にも高いのだろうけれど、よその町の業者に頼むということは、このコルメナの町にお金が入らないということになるんだよ。それに、みんなが地元の業者に頼まない、という状況が続けば、田舎の業者は新しい技術にも挑戦する機会が少ないから、技術的にレベルが下がる一方だし、いつかは廃業して、田舎には頼める大工さんがいなくなってしまうんだよ。日本では実際にそういう現象が起きているんだよ。日本の建築の働き手が不足していると聞いたことあるだろうけれど、これはみんなが都会の業者にお願いするものだから、田舎の業者がどんどんと潰れていって、田舎には頼める大工さんが数少なくなっているんだよ。みんなで地元の大工さんを育てていく気持ちで、地元の大工さんに頼まないと、結局困るのは自分たちなんだよ。田舎の地元で頼める大工さんがいなかったら、都会の人工代の価格に合わせないといけない、そうなると田舎にしては高い値段になるよね。それに、業者自体が少ないから、頼んでもなかなか建設してもらえなかったりね。俺は技術的にレベルが下がっても地元の業者に頼みたい。」

なるほど。日本で建築屋だったから、建築に関する自分なりの考え方があるのか。

この大工さんは町の中では綺麗にやってくれる方と聞いたので、頼んでみよう。それに、この大工さんのお陰で土地が決まったのだから、余計に頼まないといけないと思う。

何度も土地購入の話が流れたとき、忍耐強く土地を探してくれたし、家が近いからその都度細かな打ち合わせもしやすい。

正式にお願いするときに、ボーナス?として、大工さんの孫が産まれたばかりなので、子供たちが使ってきた日本製の歩行器と、日本製の服一式をプレゼントしました。

日本製の歩行器は壊れにくくて、未だに健在だし、服も結構丈夫です。お嫁さんも喜んでくれて、アサード(焼肉)のお礼をいただきました!

我が家の普段の食事では基本的に肉は食べませんが、頂き物や外出時に肉しかない場合はありがたく食べます。

人工代は他の業者に比べて馬鹿高いわけではないし、まぁまぁ綺麗に仕上げてくれるし、人柄をみて信用することにしました。(地元の日系人や日本人からは、誰であろうと相手がパラグアイ人だったら、絶対に信用するな!と言われそうですが、私の場合は被害をこうむらない程度に、全面的ではなくある程度は信用します)